2021年09月18日

慢性疼痛の考え方

痛いと考えると,痛みを止める回路(下行性疼痛抑制系と言います)をストップさせます。
つまり,痛いことを考えると悪循環になります。

逆に,痛いこと以外のことを考えると(痛みのことを考えないでいると),痛みを止める回路が働きます。
つまり,痛み止めの薬を自分の体内で作っていることになります。
学生時代,団体戦で大ケガしても最後までやり切ったという経験はありませんか(もしくは似たような経験)。
チームを背負って戦っているので,痛いなんか言ってられないですよね?
スポーツ選手が大ケガしても最後までやり切れるのはそのためです(痛いなんて言ってられない状況なので...)。
その時は最大級に痛み止めホルモンが出ています(最強のモルヒネが出てるようなもんです)。

患者さんには『痛み以外のことを考えること自体が一番の治療です』と伝えます。



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2017年02月24日

麻酔保健医師!?

最近,余裕があれば麻酔術前診察の時に,メタボの人に生活指導的なことをし始めました。
治療継続しているような人には言いませんが,通院自己中断したりメタボ放置している人(かつチンピラとかヤンキーじゃない人)対象に。
麻酔保健医師(!?)として勤務することにしました。
肥満・高血圧・高血糖・喫煙者の人に,この生活を続けたらどうなるかを話します。
もちろんきつい言い方ではなく,マイルドに。
きつい言い方をすれば逆効果かなと思いますので。




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2016年08月09日

脊髄くも膜下麻酔+硬膜外麻酔

本日の緊急手術は...
臍ヘルニア嵌頓(簡単に言うと,ヘソに腸が飛び出てきて,腸が締め付けられて腸が腐る...見た目はデベソみたいな感じ)。
以前から臍ヘルニアがあり,手術適応がありましたが,タバコ吸い過ぎの結果...肺気腫の末期で呼吸機能が悪すぎて手術を見合わせていた人。
胸部大動脈瘤もあって,それも同じ理由で手術を見合わせていた。
それが,腸管がハマり込んで,緊急手術をせざるを得なくなって...

さて,麻酔法はどうしよう。
通常通り挿管(息をする通り道の気管というところに息をするための管を入れること)して人工呼吸管理をすると,抜管(入れた管を抜くこと)できない可能性大!(⇒長期化すると,気管切開することに)。

そこで,『脊髄くも膜下麻酔(=腰椎麻酔=下半身麻酔)+硬膜外麻酔(下部胸椎)』を計画。
呼吸は⇒日常通り,自分で息をしてもらいます。
『硬膜外麻酔』だけでも良かったのですが,広範囲腸切除になったら硬膜外麻酔では限界もあるので,念のため下半身麻酔を併用。

術前リスクは,重症肺気腫・胸部大動脈瘤・脳梗塞・高血圧・糖尿病・高齢・肥満e.t.c.
肥満っていうのも,手技的にちょっと難しくなるんですよねぇ。

結果:脊髄くも膜下麻酔も硬膜外麻酔もスムーズで,手術も問題なく終了しました。
しかし術中も痰がすごくて,誤嚥/窒息しないか心配でしたが,なんとか大丈夫でした。

...とまぁ,こんな感じで,麻酔科医も考えながらいろいろやっています。
今働いている場所は高齢者が多い地区で,リスクが高い人が多く,できる限り体に負担のかからない麻酔をしています。
いわゆるオーダーメード麻酔です。
術式が同じだから同じ麻酔方法でするってのは良くないですよね。
それぞれの患者さんに合った麻酔をするよう心掛けています。
麻酔科医...裏方で働くプロの職人(!?)という感じでこれからも頑張ります!



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2016年06月04日

歯と口の健康週間

6月4日〜10日は歯と口の健康週間です。
昨日の緊急手術3件のうち,1件は4歳の子の口腔内裂傷でした。
歯ブラシを口に入れたまま走り回ったみたいです。
皆さん,くれぐれも気を付けてください。

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2016年05月24日

病理医不足

地方での病理医の不足。
この間のドラマ(コミック)は,病理医を広く認知させるための病理医学会の働きかけかもしれませんね。

ただ,地方は全ての科の医師が少ないと思います。
国には,医師の偏在をなくすなど,なんとか対策をお願いしたいところです。

(5/24 NHK 朝のニュースより)

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2016年04月25日

救急車を呼ぶかどうかの判断について

救急車を呼ぶか呼ばないかは,一般の人にとっては,非常に難しく悩ましいことです(医療従事者でさえ難しいと思います)。
結果的に軽症で呼ぶ必要が無く,医療者から責められたり嫌がられたりすることもあるでしょうし,遠慮して呼ばなかったら,やっぱり重症で早期の治療が必要な病態で,後に後悔することになることもあります。

そこで,役立つサイトの紹介です。

@子供に関して↓
日本小児科学会「こどもの救急」
http://kodomo-qq.jp/

当てはまる項目をクリックすると,
『待つ(おうちで様子をみましょう)』
『行く!(自家用車・タクシーでで病院に行く)』
『行く!(救急車で病院に行く)』
などと示してくれます。


A大人に関して↓(子供でも大丈夫です)
東京消防庁「救急受診ガイド」
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-kyuuimuka/guide/05bm/
当てはまる項目をクリックすると,
『救急車を要請することをおすすめします』
『明日には受診 内科』
などと示してくれます。


一度試してみてください!

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救急2.jpg



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被災地への支援

東日本大震災以来,ネット購入の際,できる限り東北・福島の会社のショップを利用することにしています。
今後は,熊本のショップも含めることにします。

私は,麻酔科医不足の地域勤務のため,現地に行って手伝うことはできないのですが,募金と商品購入でなんとか貢献できればと思っています。
ほとんど貢献できていないのは分かっていますが,何もやらないよりは良いかと...
とにかくこれ以上 災害が起こらないように祈るだけです。




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2016年04月17日

抗生剤と耐性菌

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国レベルの話になってきました。
たとえば,『風邪症状』で受診した人に,簡単に抗生剤を出すなということです。
しかし,これにはかなりの乗り越えないといけない障害があります。
一般の人には,『薬を出さない=あの医者は薬も出してくれない,ヤブ医者』
と解釈されるからです。だから医者は,何かしら薬を出してしまう。
風邪はほとんどがウイルスによるもの。
ウイルスに抗生剤は無効。
“無効”だけならいいが,耐性菌の出現(その薬が効かない菌が増えてくる)+医療費の無駄
ということを考えれば,“有害”と考えるべき。
極論を言ってしまえば,軽症の感染症の場合は,『よく睡眠と水分を取り,安静にする』ことが一番の治療ということです。
待合室で別のウイルス・菌をもらって帰る方がリスク(普通の風邪で受診し,インフルエンザをもらって帰ったら嫌ですよね?)。

ということで,一般の人にそのようなことを広く知ってもらうこと+抗生剤を出さないという選択をする医師の勇気(そのようなことを知らない医師は論外)
が必要になってきます。
国には,パンフレットやポスターを作成するなどして,一般の人・医師に周知させるような対策をしてもらいたいです。

(写真:読売新聞:2016年4月17日 朝刊)



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暴風の日の緊急手術〜急性硬膜下血腫〜

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今日は台風かと思うぐらいの強風でした。
そんな暴風の日の休日,緊急手術の麻酔依頼。
脳外科,急性硬膜下血腫。
患者さんは道で倒れていたらしい。
強風で何かが頭に飛んできたのか!?
誰かに殴られたのでは?と思うぐらい,ひどいものでした。
なんとか意識が回復してほしいけど...





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2016年04月06日

待機児童問題

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すごい地域格差ですね…
なんとか全国の待機児童が減るようになればいいのですが…
小児科受診料を無料にするのもいいですが,保育士さんの給料を上げるとか,保育士さんを確保するとか,そちらにも少し回してもらいたいです。
小児科受診料無料の弊害として,小児科医にも負担がかかっていると思います。
明らかなコンビニ受診が増えるからです。
確かに「安心して子育てができる」社会には必要なことかもしれませんが,小児科医が疲弊してやめてしまって診る人がいなくなったらどうするのでしょうか…

(写真:読売新聞 2016年4月6日頃 朝刊記事)



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